謎解きの作り方 小謎編 その2 法則類推謎

2020-08-01公開

謎解きの作り方

命名謎と組み合わせたりして広く謎解きイベントで使用されている形式の1つに法則類推謎があります。

上図のように変換法則を示された例から推測する謎を指します。

ここでは、法則類推謎の作り方や工夫の紹介、作る際に気を付ける点を紹介していきます。

(こちらの記事は、下ページからの子ページとして、公演中の小謎を作ることを目的として書いたものです。一枚謎の作り方の記事はまた書けたら書きます。)

文化祭・学園祭での謎解きイベントの作り方

法則類推謎とは

法則類推謎とは、文字列を特定の法則で変換することによって答えの言葉や文字が導き出されるのことを言います。

この形式が広く利用される理由としては、先に答えが決まっていても答えの単語によっては制作が簡単である表現法によっては中謎・大謎の一捻りとして使用しやすいということが挙げられるでしょう。

そのためか、1枚謎としてtwitter等で出題されることはあまり個人的には見かけません。


法則類推謎の例

例えば上の謎は、それぞれの単語をひらがなに直すと、「ずけい」が「ざこう」に、「てあか」が「ちいき」に、というように『1文字目を五十音で2文字戻し、2・3文字目を五十音で1文字進める』という変換法則であることが分かるため、「しそう」を同様に変換すると答えが「こたえ」になる、という謎でした。

この謎を制作する手順としては、

  • 「こたえ」という答えを決める/答えがある
  • 「こたえ」から文字列を変換して単語になる変換法則を探す
  • 同様の変換ができる(例示として使用できる)単語を探す
  • 表現法を決めて配置する

の4ステップです。

そのうち、2.の変換法則や謎の表現方法によってオリジナリティを表したり、難易度調整を行います。

変換法則

法則類推謎の本質となるのはやはり変換法則です。

変換法則はある程度限られており、特に命名謎と組み合わせる際にはイラストとして表現しやすいものを使用するという制約もあるため、謎を解く側としてはあまり目新しいものではないかもしれませんが、逆に言えば、謎解きが初めてのお子さん・慣れていない人でも解く気の起こる、馴染みの深い形式と言えるかもしれません。

特に変換法則に呼び名は無いのですが、説明するうえでそれっぽい名前を適当に付けました。

五十音ベース変換

五十音ベース変換の例1

この謎のように、(日本語であれば)五十音表ベースの法則で単語の文字を変化させる物を五十音ベース変換呼ぶことにします。

法則類推謎の6割くらいはこの五十音ベース変換が用いられているイメージです。

メリット


  • 答えに濁点半濁点や拗音が無ければ対応しやすい

デメリット


  • 矢印変換タイプ(後述)の場合は同じ五十音ベース変換で成り立つ例示用の単語を探すのが大変

変換の種類には、

  • 文字ずらし(単語の2文字目を1文字後ろにずらす 等)
  • 文字追加削除(単語の初めに"カ"を加える 等)
  • 特定文字変換(単語内にある"ハ"を"キ"に変換する 等)
  • 転置変換(単語内のの文字列を入れ替える 等)

があります。

また、以下のような出題の仕方(変換指示タイプ(後述))を用いることで、答えにできる単語が多少限られてしまいますが、比較的楽に作成できるようになります。

五十音ベース変換の例2

関連変換

関連変換の例

五十音ベースの変換ではなく、あるものに関連した文字列に置き換える変換を追加削除変換呼ぶことにします。

例としては、

  • 動物→鳴き声
  • もの→数え方の単位

などがあります。

メリット


  • ちょっと捻ってる感が出る

デメリット


  • 出題できる解答ワードが限られている

変換後の文字列が限られていることもあり関連変換単体で出題されることは(対象にもよりますが)比較的少なく、他の変換と組み合わせて使うことが多いでしょう。

twitterで出題されている例としては以下のようなものがあります。

参照変換

変換の例示とは別の部分にある対応表などを参照して行う変換を参照変換呼ぶことにします。

多くの1枚謎の場合、対応表は分かりやすい場所には無く、謎画像の中に上手く紛れさせています。

パッと見で変換法則が分からない場合は大体これです。

twitterで流れてくる法則類推謎もこの変換を用いていることが多いです。

メリット


  • 捻ってる感が出る

デメリット


  • 違和感無く対応表などを紛れさせるのが難しい

twitterで出題されている例としては以下のようなものがあります。

その他

大体上の3つに分類できますが、

  • 英語に変換する
  • 数字をn番目の文字に変換する

などがあったり、変換を2回用いないと変換法則に気付けないようになっているものもあります。

出題者によって用いる変換にも個性が出ます。

また、答えが単語ではなく数字でも良い場合にはもの(概念)の個数や文字の画数などを用いた変換法則を用いると良いでしょう。

表現法

法則推測謎を作る際には、多くの表現法があるので、答えの単語や表現スペースの広さ、再利用の有無などによってどの表現法を使用するかを決めると良いでしょう。

矢印タイプ

矢印変換タイプの例

先ほどから何度も出しているこのタイプですが、矢印タイプと呼ぶようにしましょう。

一番オーソドックスな形で、どこに当たる部分を答えれば良いか分かりやすい形です。

メリット


  • どこを答えれば良いかが分かりやすい
  • 複数の変換法則を重ねがけするのに適している

デメリット


  • 変化前の文字列も単語として存在するようにしようとすると探すのが大変な場合が多い

枠タイプ

枠タイプの例

矢印で変換する代わりに、どちらかの文字列を枠で囲うことによって換字を行うことを示すタイプです。

矢印タイプよりも汎用性が高いですが、変換法則を重ねがけするのにはあまり向いていません。

メリット


  • 等号と三点リーダ(コロン)を使い分けることにより幅広い単語が選択できる
  • 文字列中の一部分にだけ法則を適用することができる
  • 長い単語を答えにする際に用いやすい
  • 再利用に使用しやすい

デメリット


  • 複数の変換法則を重ねがけするのには向いていない
  • 使用する変化の数が多いとスペースを取りがち

連続変化タイプ

連続変化タイプの例

法則変化を連続で示すようなこの図のようなタイプも法則類推謎の1つと言えるでしょう。

一般的には矢印が省略されて羅列された状態になっており、法則謎と呼んだほうがしっくりくる人も多いと思います。

そのため、この連続変化タイプで用いられる変換の殆どは関連変換だと思って問題ないでしょう。

ただし、このタイプはその形式上解答が1文字になりやすく、公演で使用するのにはあまり向いていないと考えられます。

また、このタイプの謎は大全が作成される※1程出題されているため、新規性を求めるのは中々難しいと考えられます。

メリット


  • 省スペースで出題することができる

デメリット


  • 答えが1文字になりやすいため、公演で使用するには工夫が必要
  • 既に多くの出題がなされているので、新規性を持った謎を出題するのは難しい

一捻り

矢印の向きや長さなどに意味を持たせることで、法則をしっかりと理解しないと解けないようにしたり(メタ防止)、元の文字列からは想像しにくい意外な単語を答えとしてもってくることができます。

twitterで出題されている例としては以下のようなものがあります。

組み合わせ

組み合わせの例

法則類推謎は、複数の法則を組み合わせることによっても、難易度を上げたり変化前の単語からは予想のつきにくい単語を答えにすることができます。

また、法則類推謎は、上手く単語を見つけることができれば以下の謎のように命名謎と上手く組み合わせることができます。

制作時の注意

別解を防ぐための記事にも記載していますが、法則の例示を1例しか提示していない場合には、思わぬ別解が発生してしまう可能性があります。

そのため1つの変化法則につき例は必ず2つは提示するようにする(スペースに余裕があれば3つ)ことは、法則類推謎を作成する際に必須であると言えるでしょう。

また、英語変換などを挟む場合には、翻訳のブレが生じる可能性が高いので、しっかりと対策をする必要があります。

まとめ

  • 法則類推謎は広く使用されている謎の1つ
  • 表現や組み合わせなどの工夫によって難易度やオリジナリティを高めることができる

法則類推謎は、チーム戦の謎解きイベントでは小謎の1つとして比較的よく見かける形式です。

参加者としてはすぐに解いてしまいがちですが、もし公演中に時間が余ったら、実際にその変換法則が当てはまる単語を自分で探してみると、案外見つからないかもしれませんよ。

脚注


※1:作られはしたようですが、諸般の事情により一般販売はされなかったようです。(参考リンク)

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